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催眠療法の歴史

催眠療法には、実は古くからの歴史があります。
心理的な療法としては20世紀に入ってから認知されてきましたが、潜在意識へのアプローチはずっと前から行われてきました。
その歴史を紐解いていきましょう。

古代の催眠

太古の昔から、人間は祈りをささげていました。
時には宗教的に大掛かりな儀式を行い、神とのつながりを求めていました。
シャーマニズムなど、現代へも引き継がれているものもあります。

記録に残っているのは、古代ギリシャの神殿で、集団催眠が行われていたとされています。
これは、賢者が施術者として集まった民衆を誘導し、トランス状態にさせて神秘的な体験をさせる、というものでした。
ただし、個別具体的な暗示は行わず、覚醒後に一人一人が自由に見たり感じたりした体験を話し合って共有していく、というものでした。
あえて現代に近いものを探すと、ヨガなどの集団瞑想でしょうか。
ちなみに、後述する催眠(ヒプノーシス)の語源となったのは、ギリシャ語で眠りを意味する「ヒプノシス」でした。

中世の催眠

ヨーロッパでは、聖職者が「手かざし」として暗示による施術を行った記録があります。ただ、学術的に統計立てて行われた形跡はありません。
時には黒魔術として、科学的ではないと民衆に受け入れられなかったようです。

ヨーロッパ以外の地域では、大航海前までのネイティブアメリカンやアフリカ諸民族、あるいはアボリジニは、それぞれの文明で祈りやスピリチュアリズムの一環として行われていました。
時には麻薬などを用いて強制的にトランス状態となり、天からの啓示を受けていたといいます
(注 現在は催眠誘導の技法が確立されており、このような危険な方法をとることはありません)

またインド〜アジアにかけては、ヒンズー教や仏教(特に禅宗)によって瞑想や座禅が修行者の間で盛んに行われていました。
これは潜在意識を活用する点においては自己暗示ととらえることもできます。
また日本では古来より巫女など、踊りなどによりトランス状態になることによって啓示を受け取るなど、シャーマニズムに近いことが伝統的に行われています。

近代〜現代の催眠

いよいよ、このあたりから心理的な療法として催眠療法が確立されていきます。

催眠(ヒプノーティス)という言葉の誕生

18世紀にフランスにメスメルが現れました。かれは動物磁気説(メスメリズム)をとなえ一時有名になりましたが、結局インチキだとされて失墜します。
これはメスメリズムを信じると病気が治ると言う一種の暗示(集団暗示やイメージ療法)で、実際に効果があったわけですが、彼を研究したイギリスの医師ブレイドはこれを科学的に証明しようとします。

結果、「瞼が重くなる」などの暗示や一点に目を凝らせる凝視(集中による暗示)によって被験者がトランス状態になることを発見、これを催眠「ヒプノーシス」と名づけました。

外科手術に使われた催眠暗示

その頃、ブレイドの友人である医師エズテールは、インド駐在の医師として本国イギリスより派遣されていました。
現地は気候もあって衛生状態はかなり悪く、また物資も乏しく、彼は日々劣悪な環境下で医療業務を強いられていました。
このとき、エズテールが目をつけたのが物に頼らなくても出来る催眠でした。

外科手術時に催眠をかけ、痛みを緩和する暗示をかけながら手術をしたところ劇的な効果をもたらし、成功率が90パーセント以上と当時としてはありえないほどの成果を上げることが出来たのです。
これは現代においても「ペイン・コントロール」として手術や歯科治療・出産時などに応用されています。

ところが、彼がイギリスに帰国した後にこの成果を広めようとしても、全く受け入れられなかったのです。理由としては・・

○ イギリス人には上手くかからなかった。
これは、受ける側に催眠にかかりたいと言う気持ちが無いとかからないためで、逆にインドでは神秘的な存在を信じる人が多く、瞑想が文化として当たり前だったこともあり、結果として催眠にかかりやすい素地が出来ていたために成果が上がったと言えるのです。

○ 苦難を乗り越えることが美徳だという文化があった。
これは、イギリス正教会(カトリック系)の教義が尊重される文化の中において、苦難の放棄は神の教えに反することとされてしまったのです。

このため、エズテールの成果は誰にも顧みられることもなく、相当後の時代になるまでその正当な評価は受けられませんでした。
(この後、様々な薬品が開発され、麻酔薬による痛みの軽減そのものについては、タブー視されなくなっていきます)

フロイト・ユングの登場

近代精神分析で有名なフロイトは、トラウマを探りだすために催眠を使いました。いわゆる「退行催眠」のはじまりです。
これは、単にその症状の引き金となった記憶を呼び起こして再体験するだけだったのですが、それでも一定の効果を上げました。

ところが、フロイトは後に催眠療法を封印してしまいます。
その理由としては、理屈で説明できない方法を嫌ったという説が有力ですが諸説あり、定かではありません。

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